​低身長の検査

低身長は病気だけとは限りません。ストレスなどの心理的なものもあるため、十分な問診と医師とお子様との信頼関係が大切です。その為お子様を交えてお話をしつつ問診を行い、成長曲線を描いた後に血液検査やレントゲン検査を行って、多角的診断をしていく必要があります。
問診内容

ご家族、食事、睡眠、遊び方、学校での様子、家族や友達との関係について質問し、生まれた時の状況やこれまでにかかった病気など(病歴)について詳しく問診します。また全身の身体検査を行います。(身体計測やからだのバランスの観察など)

成長曲線

「うちの子は友達の中で頭ひとつ小さい」「同い年のイトコより幼く見える」そんな不安を持つご両親は、成長曲線を用いてお子様の身長をチェックしてみましょう。お子様の身長が+2SD~-2SDの範囲内にあればおおよそ正常で、-2SDを下回るようならば、注意をはらうべき低身長であるとされています。SD値は性別、年齢、月年齢別の平均値と標準偏差値から算出できますが、標準成長曲線に身長をプロットしていくことでおおよそのSD値がわかります。また成長のパターンが正常か異常かの判断も可能になります。お子さんの成長曲線が標準曲線にほぼ平行ならば、大きな問題はありませんが、伸びが悪くなっていたり、また、まだ思春期年齢ではない時に急に大きくなっていたりした時は要注意です。

X線検査による骨の発育評価

お子さんの骨の発育程度(骨年齢)を同性・同年齢の子どもと比較するため

に、手から手首にかけてのX線撮影をします。これによって、お子さんがこれからどれだけ成長できるかの潜在力を知ることができます。骨の成長が遅れている(骨年齢が低い)お子さんの場合は、「成長する余地がある」とも考えることができます。

骨年齢が若いお子様は​​成長ホルモンの分泌が少ない可能性があります。

​血液・尿検査

血液をとって、成長にかかわるホルモン(甲状腺ホルモン、ソマトメジン-C、性腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン)の分泌量を調べます。また、血液中の糖、たんぱく、脂質などを調べ、糖尿病や腎臓・肝臓など内臓の病気がないかどうか、全身の状態をチェックします。

尿検査は尿の中のたんぱく、糖、尿潜血、白血球、赤血球などを調べ、糖尿病や腎臓・肝臓など内臓の病気がないかどうか、全身の状態をチェックします。朝一番の尿で成長ホルモンを測定することもあります。

​さらに詳しい検査

一般検査(スクリーニング検査)によってほかの疾患がなく、成長ホルモンの分泌が低下している可能性が考えられる場合は、成長ホルモンの分泌量を調べる成長ホルモン負荷試験を行います。また、下垂体の形や脳腫瘍の有無などを調べる頭部の画像診断(MRIやCT)、女の子の場合はターナー症候群の診断のため染色体検査といった精密検査を行います。

成長ホルモン分泌不全性低身長などの疑いがある場合、例えば

低い成長率・骨年齢がかなり若い・IGF-Iが低い場合は成長ホルモン分泌刺激試験を行います。

成長ホルモン分泌刺激試験

成長ホルモンの分泌状態をより正確に調べるための検査です。成長ホルモンは、1日中分泌されていますが、その量は一定ではなく、時間によって血液中の分泌量にはかなりのばらつきがあります。日中は分泌量が少なく、正常でも低値を示します。そのため、1回の検査では信頼性が低いので、成長ホルモンの分泌を促す薬剤を投与して、一定の時間ごと(30分ごと)に血液中の成長ホルモンの量を測定します。下垂体に十分に成長ホルモンがあれば、刺激薬によって大量に分泌されますが、十分にない場合には刺激薬を投与しても、あまり分泌されないことになります。